本社の業務支援部で勤務しておりますTOです。
最近のニュースを見ますと、トラック運転者等の過労や持病の健康問題に起因する重大な事故に関連する報道が増え、中には運転手本人が運転中に操縦不能や最悪の場合には死亡に陥り、その結果として、車両を走る凶器に変えて周囲の人や物を悲惨な状況に巻き込んでしまう事故も起きています。
当社では、毎年4月になると従業員の定期健康診断を開始し、深夜勤務者においては半年ごとの受診を年2回実施してきましたが、全員の完全受診は実施していたものの、その後の健康指導においては、まだ十分とは言えず、生活習慣改善への取り組みが不十分な者、医師所見該当項目の再検査・治療を忙しいとかの理由で先送りしている者が散見されておりました。
これまでも各事業所において、従業員の診断結果に基づいた再検査や生活習慣の改善指導は行ってきていますが、医療分野に未精通の上司が、個人ごとの診断結果を紙面の数字や医師の所見欄のみで判断するのは難しく、対応人数の多さや日々の業務との併行実施となると、その指導はますます困難なものになっていました。
これらの状況から、「運輸ヘルスケアナビシステム」を活用して、全運転手の「健康リスクの見える化」を図り、全員の一覧表によりハイリスク者の発見や、労災2次検診への受診勧奨や再検査の受診勧奨が実施しやすくなり、本人への医師所見項目に基づく診断数値が記入されたレッドカードやイエローカードも手渡すことができ、期日指定の再検査の報告も求めることにより、日常の健康指導や点呼時の健康状態の把握・乗務可否の判断や注意事項等の機微な健康指導が出来るようになりました。
併せて、全運転手の睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断も実施して、このシステム内に取り組み、要治療者には、精密検査から治療までの経費支援も行い、安全な乗務環境の確立に取り組んでいます。
今後も、運転者をはじめ全従業員の健康管理面の改善や経年変化にも留意して、健康問題に起因する交通事故や労働災害事故の絶無を期し、健康な従業員の確保による健康経営に取り組んで行きます。
労災2次検診の勧奨(レッドカード)
SASスクリーニング検査